
5月5日は「端午の節句」。
男の子の健やかな成長と健康を願う行事として、今でも鯉のぼりを立てたり、五月人形を飾ったりする風習が残っています。
この日には「ちまき」や「柏餅」を食べるほか、「菖蒲湯(しょうぶゆ)」に入るという日本ならではの習慣があります。
実はこの風習、古くは中国から伝わった邪気払いの行事が由来です。
旧暦の5月は気温も湿度も上がり、体調を崩しやすい季節。そこで、強い香りを放つ菖蒲を使って体を守ろうという考えが生まれました。
漢方の視点から見ると、菖蒲には「身体を温め、気の巡りを整える作用」があり、冷えや肩こり、ストレスの緩和に役立つとされています。
菖蒲の葉に含まれる香り成分(シネオールなど)は、血行を促し、リラックス効果や抗菌作用も期待できます。
現代でいう「アロマテラピー」にも通じる知恵ですね。
湯船に菖蒲を浮かべて入浴する「菖蒲湯」は、まさに季節の変わり目に心身を整える伝統的なセルフケア。
特にこの時期、寒暖差や湿気による不調を感じる方にはおすすめです。
また、鎌倉時代以降、武家のあいだでは「菖蒲(しょうぶ)」という音が「尚武(しょうぶ)=武を尊ぶ」に通じることから、端午の節句は「武運を祈る日」としても重んじられるようになりました。
五月人形の鎧や刀は、その名残でもあります。

端午の節句には、古くから受け継がれる健康と厄除けの知恵、そして子どもたちの未来を願う温かな想いが込められています。
菖蒲湯や季節の食べ物を楽しみながら、健やかな心と体を育てていきましょう。
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