漢方でみる妊娠とは
妊娠で特に重要な機能は「腎」と「脾」
漢方では、身体の機能を五つに分けて考えます。その中で、妊娠に最も関係しているのは「腎」です。腎は生命エネルギー(これを精気と言います)を貯める器の役割をしており、生まれる際に両親から半分ずつ精気をもらい、腎に貯めて生まれてきます。親から子へ分け与えることができる精気を十分に持っていることが、妊娠の第一条件になります。
次に関係しているのが「脾」です。脾は飲食物からエネルギーである「気」と栄養を全身へ運搬する媒体である「血」を作る製造工場です。また、気血や内臓を重力に逆らうように上へ運び持ち上げる働き(漢方では昇清といいます)があると言われており、この働きが妊娠を維持するのにとても重要であると考えられています。
「気」が子供を作り、「血」が養う
身体の機能をみるのが「五臓」で、身体の要素をみるのが「気・血・水」です。妊娠では特に、「気」と「血」が重要です。上で述べた通り、「気」は根本である子供の発生に関わってきます。「気」が少ない状態で妊娠すると流産しやすかったり、虚弱体質で生まれる可能性があると漢方では考えます。
「血」は子供がお腹にいる間に十分に栄養を運ぶ為に重要です。特に母親に「血」が充実していれば、お腹の子供にも十分な栄養が与えられ妊娠も安定するでしょう。「血」が少ないとお腹の子供を十分に養うことが出来ず、妊娠を維持することが出来なかったり、妊娠中貧血になったりすることが考えられます。
体質改善:「腎」と「脾」を養い、「気」「血」を充実させる
「腎」と「脾」を”海産物”と”根菜類”で養う
日常で手軽にできる体質改善の方法は、「食養生(しょくようじょう)」です。漢方では、身体の機能である「五臓」と食事の味覚「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ)」は対応しており、その味を摂ることで養うことができると考えられています。「腎は鹹味」「脾は甘味」がセットになっています。鹹味はあまり聞きなれないかと思いますが、塩味に相当します。ただ塩味を食べればよい、甘いものを食べればよいというわけではなく、鹹味は”海藻などの海産物”で、甘味は”加熱すると甘くなる根菜類や芋類”で養うようにしましょう。”過ぎたるは猶及ばざるが如し”という言葉があるように、多く食べればよいわけではなく、毎日取り入れるように意識するのが正解です。
「気」と「血」は”雑穀類”と”色の黒い食材”で補う
「気」を補う食材は上で述べた脾に良い食材の”根菜類、芋類”に加え、うるち米・玄米・ひえ・もち麦など”雑穀類”が良いと言われています。ただし、「脾」がとても弱っている場合には玄米は消化に負担になる場合がありますので、注意しましょう。また、「血」を補う食材は”色の黒い食材””色の赤い食材”と言われています。黒い食材の代表としては”黒ゴマ”や”黒キクラゲ”です。また赤い食材では”クコの実”や”なつめ”などが挙げられます。”雑穀類”であり”色が黒い食材”でもある”黒米”は「気」「血」両方にメリットのある食材と言えます。逆に、種がないように改良されている果物は妊娠を希望している時にはあまり食べないほうが良いと言われています。
スピードを求めるなら漢方薬で
日々の食事の積み重ねが我々の身体を作っているので、「食養生」は体質改善にはとても重要ですが改善に時間がかかるというデメリットもあります。なるべく早く体質改善をしたい、という場合には漢方薬がよいでしょう。しかしながら、漢方薬は飲む人の体質に合わせて選ぶものであり、「不妊」という症状に対して決まった漢方薬があるわけではありません。漢方薬の選定の仕方は知識と経験が必要になりますので、体質診断やカウンセリングができる漢方専門薬局や漢方外来のあるクリニックに相談するのが良いと思います。
いかがでしたでしょうか。妊娠希望の方、不妊でお悩みの方の参考になれば幸いです。
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